録画面接の話し方|”話が上手い人”より”受かる人”がやっている7つのこと
ライター
田中美咲(人事コンサルタント)
大手企業の人事部門で15年以上のキャリアを持つ。新卒採用から中途採用まで幅広い採用業務を経験し、現在は人事コンサルタントとして企業の採用戦略立案や面接官トレーニングを手がける。特に、応募者の潜在能力を見抜く面接技法に定評がある。
アプリを詳しく見てみる大手企業の人事部門で15年以上のキャリアを持つ。新卒採用から中途採用まで幅広い採用業務を経験し、現在は人事コンサルタントとして企業の採用戦略立案や面接官トレーニングを手がける。特に、応募者の潜在能力を見抜く面接技法に定評がある。
アプリを詳しく見てみるV+ingのデータで分かった「受かる話し方」7つのポイント
ここからは、V+ingプラットフォーム上で企業が「合格」と判定した動画と「不合格」の動画を比較分析した結果をもとに、具体的な話し方のポイントをお伝えします。
正直に言うと、「話が上手い人」が必ず受かるわけではありません。むしろ、アナウンサーのように流暢に話す人の中にも落ちる人はいますし、少し噛んだり言い直したりしても受かる人はいます。企業が見ているのは「上手さ」ではなく、「一緒に働くイメージが湧くかどうか」です。
1. 最初の一言は「結論」から入る
これはPREP法の基本ですが、話し方の観点で補足します。最初の一文を「結論」にすることで、声のトーンが自然に上がり、自信を持って話し始められるというメリットがあります。
Before
「えーと、私は大学時代にいろいろな経験をしてきたんですけど、その中でも特に…」
→ 何を話すのか分からないまま15秒が過ぎる
After
「私の強みは、相手の立場に立って課題を見つける力です。」
→ 5秒で結論が伝わり、採用担当者の「もっと聞きたい」を引き出す
2. 話すスピードは「1分300文字」を意識する
V+ingの分析で最も興味深かったデータの一つが、話すスピードと通過率の関係です。結論から言うと、1分あたり280〜320文字のスピードの動画が最も通過率が高いという結果が出ています。
これは、NHKのニュースキャスターの話すスピード(1分300文字前後)とほぼ同じです。早口になると聞き取りにくくなり、遅すぎると退屈な印象を与えます。
自分のスピードを測る方法は簡単です。台本の文字数を数えて、動画の秒数で割るだけ。たとえば60秒の動画で360文字話しているなら、やや早口です。20文字ほど削ってみてください。
3. 語尾を「言い切る」── 「〜と思います」を減らす
通過した動画に共通する特徴の一つが、語尾の力強さです。
Before
「〜できたかなと思います」「〜ではないかと考えています」「〜したいなと思っています」
→ 自信がなさそうに聞こえる。特に「かな」は要注意
After
「〜を達成しました」「〜だと考えています」「〜で貢献したいです」
→ 明確で力強い印象。断言することで誠実さが伝わる
「『〜と思います』が3回以上続くと、『この人、自分の経験に自信がないのかな』と感じてしまいます。言い切ってくれたほうが、こちらも安心してその話を信じられるんです」── 小売業 人事部長
4. 目線は「カメラのレンズ」に固定する
これは何度でも強調したいポイントです。画面に映った自分の顔ではなく、カメラのレンズを見る。スマホで撮影する場合、インカメラのレンズは画面の上部にあります。画面の中の自分を見てしまうと、相手からは「目線が下を向いている」ように見えます。
練習方法:カメラのレンズの横に小さなシールを貼る。話している間はそのシールを見るようにすると、自然な目線になります。
5. 「間」を恐れない ── 沈黙は武器になる
意外に思われるかもしれませんが、V+ingのデータでは適度な「間」がある動画のほうが通過率が高い傾向があります。具体的には、重要なポイントの前に0.5〜1秒の間を入れると、聞き手の注意を引きつける効果があります。
Before
「私の強みはリーダーシップです具体的には30人のサークルで部長を務め退部率を30%から8%に改善しました」
→ 息継ぎなしで一気に話す。聞いている側が疲れる
After
「私の強みは、リーダーシップです。(0.5秒の間)具体的には、30人のサークルで部長を務め、(0.5秒の間)退部率を30%から8%に改善しました。」
→ 間があることで、重要な数字が際立つ
6. 声の抑揚をつける ── 「音のハイライト」を意識
一本調子で話す動画は、内容が良くても印象に残りにくい。V+ingで高評価を受けている動画の多くに共通しているのは、重要なキーワードだけ少し声を大きく、ゆっくり発音するというテクニックです。
たとえば「退部率を30%から8%に改善しました」の「30%」と「8%」だけ、少し声のボリュームを上げて、スピードを落とす。これだけで数字が頭に残りやすくなります。
プロのプレゼンターが使う「音のハイライト」というテクニックですが、やりすぎると不自然になります。1分の動画で2〜3箇所に絞るのがコツです。
7. 最後の5秒で「笑顔」と「お辞儀」を忘れない
動画の締め方は、意外と軽視されがちです。V+ingのデータでは、最後に自然な笑顔で「ありがとうございました」と言って軽くお辞儀をする動画は、唐突に終わる動画に比べて「印象が良い」の評価が1.4倍でした。
「ありがとうございました」の後、1〜2秒の余韻を残してから撮影を止めましょう。ギリギリで切ると、最後の言葉が途切れてしまうことがあります。
「最後の印象って大事なんですよ。内容が同じくらいの2人がいたら、最後に笑顔で締めた人のほうを面接に呼びたくなります。人間ですから」── IT企業 採用マネージャー
セルフチェックリスト ── 提出前に確認しよう
以下のチェックリストで、自分の動画を提出前に自己診断してみてください。7つ中5つ以上クリアしていれば、かなり良い動画です。
- 最初の5秒で結論(自分の強み)を言えている
- 話すスピードが1分300文字前後に収まっている
- 「〜と思います」が3回以上連続していない
- 目線がカメラのレンズに向いている(画面の自分を見ていない)
- 重要なポイントの前に0.5〜1秒の間がある
- 数字やキーワードの部分で声のトーンが変わっている
- 最後に笑顔で「ありがとうございました」と締めている
もし3つ以下しかクリアできなかった場合は、まず1と4(結論ファーストと目線)から改善してみてください。この2つだけで印象が大きく変わります。
録画面接の総合的な対策については録画面接とは?完全対策ガイドを、動画の構成や撮影環境については自己PR動画の作り方 完全ガイドをご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 話すのが苦手でも録画面接で受かりますか?
A. はい。V+ingのデータでは、「流暢さ」と「通過率」に明確な相関はありません。むしろ「内容の構成」と「表情の明るさ」のほうが通過率に影響しています。話すのが苦手な人こそ、構成をしっかり固めてリハーサルを重ねてください。
Q. 早口になってしまうのですが、どうすればいいですか?
A. 台本の文字数を減らすのが最も効果的です。1分動画なら280〜320文字を目安にしてください。内容を詰め込みすぎると必然的に早口になります。また、「間」を意識的に入れることで、スピードが自然に落ちます。
Q. 緊張して表情が硬くなるのですが、対策はありますか?
A. 撮影前に「割り箸トレーニング」を試してください。割り箸を横にくわえて30秒間キープ → 外して話す、を3回繰り返すと、口角が上がりやすくなります。また、カメラの後ろに友人の写真を置くと、自然な笑顔が出やすくなるという声もあります。